2006年11月23日(木)「しんぶん赤旗」
不安につけこむ 電話占い悪徳業者
覚えない“未払い金払え”
「占いの電話相談を利用したら高額な金額を請求された」。友人がこんな被害にあったという女性から編集局に訴えがありました。誰もが生活や将来に不安を抱える社会。テレビや雑誌でも占いは花盛り…。それに付けこむ悪徳業者がいます。
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「恋や仕事の悩みを払しょくします」「もっと幸せになりたいあなたに」…。女性雑誌におどる電話占いの広告文です。電話占いは、占い師が電話での相談に有料で応じるというものです。
本紙に情報を寄せたのは、東京在住の三十代の君島里子さん(仮名)。飲食店に勤める友人(36)が被害にあいました。
友人が電話占いを利用したのは今年三月。雑誌に載っていたフリーダイヤルにかけるとオペレーターが出てきました。自分の電話番号を伝え、電話をきった友人。すぐに占い師から友人へ着信者負担の「コレクトコール」という形で電話がかかってきました。占い料は、一分二百十円。
仕事はうまくいくか、恋愛は…。一時間半近くの話を終え、口頭で伝えられた約二万円をすぐに指定の口座に振り込みました。
さらに3万
一カ月後。占い料の料金回収を専門に行っているという回収会社の若い男性から電話が。「占い料の未払い金がある」と、さらに三万円以上を払うように要求されました。
友人から相談を受けた君島さんが、業者との交渉にのりだしました。「全額払った。納得できない」とはねつけましたが、男性は「使ったのだから払う義務がある」の一点張り。その口調は、テレビで聞いた闇金融の取り立てのように威圧的なものだったといいます。
その後も男性は、しつこく友人に電話をかけてきます。そのつど押し問答に。君島さんと業者のやりとりは今も続いています。
相談が増加
国民生活センターに聞くと、この場合「支払う義務はないのだから、無視を貫く」「住所や電話番号などの個人情報は相手に知らせない」とアドバイスします。
同センターには、電話占いの利用者から「初めの説明と違い高額な料金を請求された」「余談を長々とされ、請求がかさみ納得いかない」などの苦情が寄せられているといいます。
いまや市場規模一兆円ともいわれるほど拡大した“占い産業”。占いや運命鑑定などの「祈とうサービス」に関する相談は年々増加し、この四年間で倍に。二〇〇五年度だけで約千六百件の相談が寄せられています。