2006年11月23日(木)「しんぶん赤旗」
都事業に四男重用
肝いり文化施設 予算は8倍化
石原知事
共産党都議団調査
東京都の石原慎太郎知事がトップダウンで始めた都の事業に民間人の息子と知人を深く関与させている―。日本共産党都議団は二十二日、都庁内で記者会見し、「若手芸術家育成」の名で石原知事が始めた「トーキョーワンダーサイト」の都政私物化の実態を告発しました。(3面に関連記事)
石原知事のもとで、東京都の文化施設は経営効率を押し付けられ、軒なみ予算が削られているのに、ワンダーサイトだけは、四年間で補助金が増え続け、予算は五千五百万円から四億七千万円へと八倍以上も増額されています(別表)。また、同施設の運営は都の承認なしに事業計画が変更されるなど不明朗で、都の監査でも問題にされています。
党都議団は、知事の四男、延啓(のぶひろ)氏を設立当初から深くかかわらせている事実として、(1)二〇〇五年二月にニューヨークで行われた公共芸術サミットの東京都代表四人の一人として参加させ、「トーキョーワンダーサイト設立に参加」という紹介文を送っている(2)〇三年三月にはワンダーサイトコミッティの諮問委員の名で、五十五万円の公費を使いドイツ、フランスに出張している(3)施設第一号の御茶ノ水のワンダーサイトに飾られているステンドグラスの原画の作者で、その事実を都民や都議会には隠している―ことを指摘しています。
また、石原知事が「知己の関係」にある今村有策氏の都参与選任と同施設館長任命を〇一年十二月二十日に行い、同氏の妻・家村佳代子氏を〇六年四月からワンダーサイト副館長、青山館長に採用、ファミリー支配を行っている実態を明らかにしました。
共産党都議団の吉田信夫幹事長は「石原知事がトップダウンで始めた事業を知人夫妻のファミリー支配に委ね、知事の家族を深くかかわらせていることは、都政の私物化であり、都民は納得できない。その実態を全面的に明らかにし、引き続き知事の責任を追及していく」とのべました。
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