2006年11月22日(水)「しんぶん赤旗」
ウイルス肝炎患者総合対策を
全国連絡会が発足
B型肝炎訴訟原告団・同弁護団、薬害C型肝炎訴訟原告団・同弁護団と患者団体などは二十一日、東京・永田町の国会内で、「ウイルス肝炎総合対策の推進を求める全国連絡会」(略称=肝炎連絡会)の設立集会を開きました。集会では、すべてのウイルス肝炎患者・感染者の総合対策を求める百万人国会請願署名にとりくむことを決めました。
今年六月、最高裁はB型肝炎訴訟で国の責任を認める判決を言い渡しました。薬害C型肝炎訴訟でも大阪(六月)、福岡(八月)両地裁が相次いで国の責任を断罪する判決を出しました。
しかし、厚生労働大臣は被害者に謝罪することも、面談すら拒み、全面解決の道を閉ざしています。
連絡会は、こうした現状を打開し、被害者と患者たちが一つに団結して国の姿勢の転換を求めるために結成されました。
注射の針や筒を一人ひとり取り換えずに行われた集団予防接種でB型肝炎に感染した木村伸一さんは「裁判で勝利したのに大臣は被害者に会おうともしません。五人の原告のうち、最高裁判決を聞くことなく一人が亡くなり、もう一人は肝臓がんとたたかっています。救済のために全力を挙げる」と決意をのべました。
「若い被害者がいることを知ってください」とのべた大学三年生の男性は、一九八五年に未熟児で生まれ、出血傾向があったために血液製剤「クリスマシン」を投与されてC型肝炎に感染しました。男性は「感染者ということで差別を受け、慢性肝炎で苦しむ。若者がこれから生きていく社会が、命と健康の不安に苦しむ社会では良いものにはならない」と訴えました。
集会では日本共産党の小池晃参院議員が「肝炎被害者の全面解決は党派を超えて解決しなければならない問題です。肝炎連絡会の結成は時宜にかなったもの。政治の姿勢を変えるためにみなさんの活躍に期待します」とあいさつしました。