2006年11月22日(水)「しんぶん赤旗」

中印 平和貢献で協力

首脳会談 国境問題協議加速へ


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(写真)合意文書の調印式で談笑する胡錦濤主席(左)とシン首相=21日、ニューデリー(豊田栄光撮影)

 【ニューデリー=豊田栄光】インド訪問中の中国の胡錦濤国家主席は二十一日、ニューデリーでシン首相と会談しました。両首脳は二〇〇三年に合意した「包括的協力宣言」を再確認、さらなる関係発展のために、経済、国境画定、地域・国際分野など十分野での協力を「戦略」的に追求していくことで一致しました。中国主席の訪印は一九九六年の江沢民主席以来、十年ぶりです。

 会談後、胡主席とシン首相は「十方面戦略」に関連する十三の合意文書に調印しました。

 会談後、胡主席は記者団に対し「アジアの二大発展途上国が協力することは世界的に重要」と語り、シン首相も「協力すれば、両国はアジアと世界の平和と繁栄に効果的な貢献ができる」と述べました。

 会談後発表された「共同宣言」は、「中印両国はライバルや競争相手ではなく、互恵のパートーナー」と位置づけ、〇五年に樹立した「戦略協力パートナーシップ」を発展させることで一致。「多極化の世界秩序の中にある二大国」の関係が発展することは、「将来の国際システムに肯定的な影響をもたらす」と主張しました。

 アジアでの地域協力についても重視する姿勢を鮮明にし、東アジア共同体の実現に向けた協力の拡大で同意しました。

 かつて紛争にまで発展した国境画定問題については、「平和的手段による解決」を再確認。「早期解決が両国間の基本的利益を前進させる」との認識から、〇五年に調印した「中印国境問題解決のための政治枠組みと指針」に基づき、現在行われている特別代表による協議を加速化させることを確認しました。

 科学分野では、国家エネルギー戦略における原子力の重要性で一致、民生用核技術協力を促進することで合意しました。

 これについて中国外務省の姜瑜報道官は二十一日の記者会見で、「各国が自らの国際義務を履行するという前提の下、インドを含めた各国と協力を展開したい」と述べました。


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