2006年11月22日(水)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪ストップ!
各地で運動広がる
国会前
300人が廃案求め行動
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会は二十一日夕、与党が衆院通過を強行した教育基本法改悪案の廃案をもとめて、国会前集会を開きました。各地から集まった教師ら約三百人がキャンドルライトやのぼり旗をかかげて、「教育基本法を改悪するな」などと参院と首相官邸にアピールしました。
全国連絡会呼びかけ人の小森陽一さんは「参院での審議をめぐって緊迫した事態になっているが、改悪に反対する声も広がっている。高校生や若者たちが立ち上がりはじめている」と各地での運動の広がりを報告。「教育基本法のどこがどのように変えられようとしているか、多くの人が知りたがっている。多くの人たちに改悪の事実を知らせ、反対の世論を広げよう」と訴えました。
東京都港区の大学二年生(19)は「ホームページで国会前で集会があるのを知って、初めて集会に参加しました。教育基本法を変えるのには反対。変えたとしても、いまの教育の問題に正しい対処ができない」と語り、「これからも参加したい」と話していました。
三重
6会場 いっせい集会
「教育基本法改悪ストップ! 県内いっせい市民集会」が二十一日夕、三重県内六会場で開かれました。三重県教職員組合(三教組)や各地区労センターなどの主催。
津市のお城西公園で開かれた中勢ブロック市民集会には、教職員や市民ら約八百人が参加。日本共産党も三教組中勢高支部の要請を受け、党旗を掲げて参加しました。
同集会で三教組津支部の倉田幸則支部長は「でたらめな、やらせ質問までさせて教育基本法を変えようとする政府に教育を語る資格はない。国民的議論を大きく巻き起こし、改悪を阻止しよう」と訴え。教職員の決意表明では、改悪阻止へ向けて党派を超えた大同団結を呼びかける声が上がりました。
参加者は集会後、「憲法・教育基本法を守れ」「国家は教育に介入するな」などと唱和しながら市内をデモ行進、市民に共同を呼びかけました。
教員の女性は「まともな議論もせずに、数の力で基本法を変えようとする政府のやり方に腹が立ちます。子どもたちを守るためにも、改悪反対の声を広げたい」と力を込めて話していました。
滋賀
“子ども不幸にする”
滋賀弁護士会は二十一日、大津市内で「教育基本法『改正』を問う」講演会を開き、滋賀出身の大阪弁護士会所属の平野恵稔弁護士が講演し、「教育を取り巻く状況は大きく変わったというのは多くの人の実感だが、だから教育基本法を変えるというのは、まったくつながらない話だ」と述べ、教育基本法改悪案を強く批判しました。滋賀弁護士会は今月十三日に教育基本法改悪に反対する声明を発表しています。
講演会では、教育現場からの発言として、全教滋賀教職員組合、日教組滋賀教職員組合、県公立高校教職員組合から三人の教員が報告し、「子どもたちは自分たちにまかされると成長する。改悪法案では、こうしなければと追い込められる」「少人数学級なら荒れた子も勉強できる。教育条件整備の教育行政の責任をはずす改悪は逆行です」「教育の論理でなく、弱者を切り捨て、さらに格差社会を広げる発想で、子どもたちを不幸にする改悪は許せない」と訴えました。