2006年11月22日(水)「しんぶん赤旗」
“教育基本法「改正」なぜ急ぐ”
地方紙から疑問続々
国会は与野党の協議の結果、二十二日から審議正常化の運びになりましたが、教育基本法改悪法案を押し通そうと与党単独で重ねた横暴な議事運営や法案そのものに、地方紙各紙も社説で「改正の必要性があるのか」(神奈川新聞二十一日付)「なぜそんなに急ぐのか」(東京新聞十八日付)など、疑問の声を改めてあげています。
神奈川新聞二十一日付は参院審議入りにあたり「なぜ、戦後教育の理念を定めた『教育の憲法』をいじりたがるのだろうか。(現行法を)何度、読み返しても改正の必要性はあるまい」と書いています。そして「奥深いところで憲法の改正につながる恐れがある」と、改憲の露払いにされることに強い危ぐの念を示しています。
秋田魁(さきがけ)新報十七日付は政府の改悪法案について「突き詰めれば、教育の目的が国家のための国民育成という方向に傾く危うさを秘めている。この点にこそ本質が見いだせる」と、日本共産党が憲法違反と指摘してきた国家による教育への介入の問題点をズバリ批判しました。
NHKの世論調査(十三日放送)でも、政府案に「賛成」する41%のうち「時間をかけて議論すべきだ」66%、「今国会で成立させるべきだ」33%です。急ぐべきではないというのが圧倒的な国民世論です。
東京新聞十八日付は「教育現場に根強い(国家の)強制や不当介入への懸念は払拭(ふっしょく)してもらわねばならない」とすると同時に、「子どもと日本の未来にかかわることだ。安倍首相の『広く深く議論する』との言葉通り、時間を惜しんではならず、今国会にこだわる必要はない」と主張しています。
政府・与党はこうした声に耳を傾けるべきです。