2006年11月21日(火)「しんぶん赤旗」
尼崎市長選 白井氏圧勝
清潔・市民本位に共感
反共攻撃に市民が反撃
十九日投開票された兵庫県尼崎市長選挙。日本共産党が支援し保守・無党派の人々と共同して再選を果たした白井文氏(46)は、前回の約五千票差での当選から、今回は、自民・公明推薦の自民党前市議の谷川正秀候補(43)に五万票以上の大差をつけて圧勝しました。戦後最多得票での再選です。「尼崎市民の良識の勝利だ」との声があがっています。四年間の清潔・市民本位の白井市政に熱い共感が示されました。
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二十日朝、尼崎市のJR立花駅前に当選した白井さんの姿がありました。市民にこうあいさつしました。「私たちの小さな積み重ねが大きな政党、多額の政治資金という力に対抗するエネルギーをうみ、行動を起こしたということは全国にも勇気を与えたと思います」
確かに相手は自民、公明の政権与党が推薦する候補。そして尼崎といえば公明・冬柴鉄三国土交通大臣の地元です。
選挙最終盤の十七日、公明党が尼崎市内で開いた冬柴大臣の就任報告集会で、谷川候補は、二千人を前に「お願いします」と土下座をしました。
■実績を示す
「国・県とのパイプ」を強調する谷川候補に対し、白井陣営は阪神尼崎駅北の「空中回廊」(巨大な立体遊歩道)の建設中止、国保料引き下げに四億円の繰り入れ、障害者支援に三億円の対策を決断したことなど実績を示し、「国・県が福祉予算を削るなか、誰もが安心して暮らせる尼崎をめざします」と訴えました。
自民党員や市民派議員、無党派の人々が日本共産党とともに支持母体「フレッシュ尼崎の会」に結集。選挙戦では、街頭で白井さんが訴えると、白井さんと行動をともにした男性(20)が「油断しないようにしないといけないな」と思ったというほど、多くの市民から声援が飛びました。
白井候補への支持の広がりに危機感を燃やした谷川陣営は、「共産党が支援している現職女性候補者で、みなさんはいいんですか?」と大きく書かれたチラシとポスターをつくり、街頭からも反共攻撃をくりひろげました。
谷川候補の出陣式には、町村信孝元外務大臣をはじめ、自民・公明の国会議員、県議、近隣市議らが勢ぞろいし、「共産党が支援するからダメ」と口々に白井陣営を攻撃しました。
しかし、白井市政の実績の前に、こうした攻撃は通用しませんでした。白井陣営の無所属議員が「日本共産党と一緒で何が悪い」とマイクを持って反撃したり、宣伝カーに若い女性が駆け寄ってきて、「こんなひどいチラシをつくる候補者は絶対許せない」と車中の白井さんを激励する一幕もありました。
日本共産党尼崎地区委員会はただちに「反共攻撃は自民・公明の悪政から市民の目をそらし、保守・無党派の人たちと日本共産党の団結をこわそうとするもの」と反論のチラシを配布しました。
■借金減らす
白井さん当選の知らせを聞き事務所でうれし涙をぬぐっていた女性(59)は、「白井さんを失ったら尼崎の恥やと思ってがんばってきました。よその市でたったの四年間で前の市長がつくった借金を百七十八億円も減らした市長さんなんていますか? こんなすばらしい市長さんなのに、相手陣営は汚いやり方でなりふりかまわず白井さんを批判するばかりで、自民党と公明党の体質が本当によくわかりました」と話しました。
二十日朝、白井さんは「私たちの力は日本中のまじめにやっているひとを勇気付けて、理不尽なことに負けずに正義は勝つんだということを理解してもらえるきっかけになったと思います」と胸を張って二期目の市役所に登庁しました。