2006年11月19日(日)「しんぶん赤旗」
「いじめ自殺予告は甘え」だって!
石原都知事発言に批判殺到
実態を理解していない 子どもの心を傷つけた
東京都の石原慎太郎知事が、いじめを苦に自殺すると予告した手紙について「甘ったれてる」「ファイティングスピリットがなければ、一生どこへ行ってもいじめられる」などと発言した問題で、東京都に抗議や批判の声が相次いでいます。
都民の声の受付窓口の都生活文化局には、十六日までに百五十件の意見が電子メールや電話などで寄せられ、都の担当課が対応に追われました。その多くが知事の発言を批判する内容でした。
このなかでは「知事の発言が、助けを求めて苦しんでいる子どもにどんな感情を与えるか、考えてほしい」「現在の学校の状況、いじめの実態を何も理解していない。あれが都としての公式見解なのか。発言が自殺に拍車をかけたら、どうするつもりだ」などの厳しい批判が相次ぎ、「あまりにも時代錯誤な発言で、ナンセンス(ばかげている)だ」との声もありました。
十日の記者会見で石原知事が「子どもにけんかの仕方を教えた」とのべたことについても、「多勢に無勢でいじめられている子どもには、何の効果もない」という意見が寄せられました。
また、知事が「(手紙は)おとなの文章だ」としたことについても、「仮におとなのいたずらだとしても、知事の発言は、いじめに苦しむ子どもの心を深く傷つけた」との批判がありました。
石原知事の発言については、「都立高校二年」と記載された差出人から、同知事あてに「さらに自分を追いつめることになりました」と、自殺を予告するはがきが届いています。