2006年11月16日(木)「しんぶん赤旗」
教員評価システム
いじめ解決に弊害
旧文部省報告が警告 “把握不十分に”
石井議員が質問
日本共産党の石井郁子議員は十五日、衆院文部科学委員会で、いじめ問題をめぐる文科省の協力者会議が十年前から、現在のような学校評価システムの問題を指摘していた文書を示し、学校や教員を上から評価するシステムの弊害をただしました。
石井氏がまずとりあげたのは、旧文部省が一九九六年に発表した「児童生徒の問題行動等に関する調査研究協力者会議」の「報告」。「いじめの多寡で学校の評価について取り沙汰(ざた)し、非難する傾向もみられることから、学校がこれに気を取られ、いじめの実態把握に慎重になったり、不十分となることがある」と警告しています。石井氏は「この報告書が生かされていない」と追及しました。
その上で、現在の文科省の方針のもとで生まれた福岡県の「校長業績評価書」を示しました。
同評価書は教育長が校長を評価するものです。「教育目標の達成に向けて校内組織をまとめている」などの十三項目について、校長の「能力」「意欲」「実績」などを「S」から「D」までの五段階で評価する内容です。石井氏は「こういう評価があるからいじめが隠され、見つからないのではないか」と追及しました。
伊吹文明文科相は「評価はしなければならない」などと答弁。石井氏は「十年前の報告が生かされなければ、事件はなくならない」と評価システムの誤りを指摘しました。