2006年11月15日(水)「しんぶん赤旗」
イラク政策
手直し検討に着手
米大統領 研究グループと会談
【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ米大統領は十三日午前、ホワイトハウスで、超党派の独立委員会「イラク研究グループ」(ISG)のメンバーと一時間余り会談しました。会談は、イラク戦争が大破綻(はたん)し出口が見いだせないなか、中間選挙で与党・共和党が大敗したのを受け、イラク政策の手直しの本格的検討に着手する一環として行われたものです。
ISGの目的は、イラク政策全般の洗い直しです。同グループは八月末から九月初めにバグダッドを訪問し、米国やイラクの政府・軍関係者のほか、イラクの政治、宗教指導者、非政府組織(NGO)代表らと懇談しました。年内には大統領と議会に対し正式な勧告を提出する予定です。
ブッシュ氏は同日、イスラエル・オルメルト首相との会談後の記者会見でISGとの会談に言及し、「本当によい議論をした」と述べるにとどめました。詳しい会談内容は明らかにされていません。
米メディアの報道によればISGで検討されている提言内容としては、▽イラク問題に関する国際会議開催▽イラク各派の和解のための圧力強化▽イラク治安部隊の訓練強化―などがあります。これまでブッシュ政権が拒否してきたイランやシリアとの直接対話を提言する可能性もあるとされます。
イラクをシーア派、スンニ派、クルド人の地域に三分割する案や、米軍の即時撤退は提言内容に含まれないものの、イラクからの段階的撤退を勧告する可能性もあるとみられています。
ISGは議会の要請で今年三月に設立されました。ベーカー元国務長官とハミルトン元民主党下院議員を共同議長とし、共和・民主両党各五人で構成されます。ラムズフェルド国防長官の後任として指名されたゲーツ元中央情報局(CIA)長官も一員でしたが、指名後、イーグルバーガー元国務長官に代わりました。