2006年11月15日(水)「しんぶん赤旗」
教育基本法改定に反対
22大学でアピール
個人の価値欠落/9条改定の一里塚
教育基本法の改定案に反対する大学人が十四日、国会内で記者会見し、審議中の改定案を批判するとともに、強行採決をしないよう訴えました。会見には、湊晶子・東京女子大学学長、木村利人・恵泉女学園大学学長、石井摩耶子・同元学長、藤田英典・国際基督教大学教授らが出席しました。
それぞれの大学ごとに有志が教育基本法改定に反対するアピールを発表しており、十三日現在、前記の三大学のほか、敬和学園大学、千葉大学、横浜国立大学、横浜市立大学、京都女子学園、北海道大学など道内の十四大学―の計二十二大学でアピールが出され、五百五十九人が賛同。短期間に広がっており、まだ広がるといいます。
東京女子大学の湊学長は、改定案について、憲法と教育基本法の一体性を断ちきっている、「個人の価値」が欠落し、「公共の精神」の名で戦前のように教育が国家の手段にされる恐れがある―などをあげ、「重要な問題が議論されていないのに、強行採決するなど許されない」と訴えました。
現行教育基本法作成にかかわった教育刷新委員会で、唯一の女性委員だった河井道が創立した恵泉女学園大学の木村学長は「教職員一同、改定案に全面的に反対だ。いま改定する理由が分からない。憲法九条改定への一里塚と思えてならない。戦争への反省を踏まえてできた教育基本法を変えてしまっては、日本が惨害を与えたアジアの人への責任が果たせない」とのべました。