2006年11月14日(火)「しんぶん赤旗」
32億円過払い返還請求
サラ金被害 全国1800人一斉提訴
サラ金などの高金利問題で十三日、「グレーゾーン金利」で不当に払わされた利息の返還を求めて、被害者約千八百人が貸金業各社を相手取り、全国の裁判所にいっせいに提訴しました。請求総額は、前回(昨年十一月)の約二十八億円を上回る三十二億円以上になる見通しで、いっせい提訴では最大規模になりました。
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(全国クレ・サラ被連協)が呼びかけたもので、今回で三回目。七十社以上のサラ金・クレジット業者が被告です。
いっせい提訴のほかに、個別の過払い金返還請求訴訟も多数行われています。全国クレ・サラ被連協によると、これらも合わせた請求総額は、前回のいっせい提訴以降、約五十八億円に達しました。
東京地裁への訴状提出後、全国クレ・サラ被連協の本多良男事務局長は原告や司法書士らと地裁内で会見しました。
本多氏は、過去のほとんどの裁判で勝訴し、ほぼ請求どおりの金額を返済させていることを紹介。「そもそも違法な金利であり、自主的に返還すべきだが、債務者自身が直接請求しても業者は応じない」と話しました。
原告代表で、二十年以上にわたり大手アコムに金利を払い続けてきたという都内の男性(49)は、「過払いになっていることを今年まで知らなかった。自殺に追い込まれた人でも、知らずに過払いになっていた人がいると思う」と話しました。