2006年11月14日(火)「しんぶん赤旗」
「やらせ」批判噴出
教育基本法改悪地方公聴会
採決求める声なし
教育基本法改悪法案を審議している衆院特別委員会は十三日、札幌市と大分市で地方公聴会を開きました。県内のタウンミーティング(〇四年十一月)で「やらせ質問」が判明した大分では、意見陳述した三人全員が政府・文部科学省を批判しました。教育基本法「改正」賛成の人も含めて、今国会で採決すべきだという意見は二会場ともまったく出ませんでした。
大分会場で高橋正夫・大分県高校PTA連合会会長は「やらせ質問」について「非常にふがいない。議論は正々堂々とすべきだ」と発言。清原今朝勝・元大分市立中島小学校長も「非常におかしい。指導的立場にある人がこういうことをやるのは不信感を買う」とのべ、井手口良一・大分市議も「稚拙なやり方でレベルが低すぎる」と政府のやり方を批判しました。
札幌会場では、岩本一郎・北星学園大学教授が「いま起きているさまざまな教育問題は、基本法の理念に反する国の介入に起因する。政府の『改正』案は、ますます教育を荒廃させる」と述べ、改悪法案に明確に反対しました。
日本共産党の石井郁子議員が「教育行政についてどう考えるか」と質問したのに対し、岩本氏は「(教育内容への国の介入を禁じた)現行基本法一〇条を踏まえてやるべきだ。とくに子どもの意見をきちんと吸い上げる教育行政になってほしい」と注文しました。
大分会場でも清原氏が現行一〇条を改悪する政府案について「タテの系列が強くなる。上を見て教育したら子どもが見えなくなる。これが一番こわい」と指摘しました。