2006年11月10日(金)「しんぶん赤旗」
国連総会
キューバ経済封鎖解除を決議
賛成 最多の183カ国
【ワシントン=山崎伸治】国連総会は八日、対キューバ経済封鎖を直ちに解除するよう米国に求める決議案を、賛成一八三、反対四、棄権一で採択しました。今回の決議への賛成は昨年より一カ国増えて過去最高でした。反対したのは昨年と同様、米国、イスラエル、マーシャル諸島、パラオの四カ国。棄権はミクロネシアでした。
南アフリカ共和国代表は、発展途上国の「七十七カ国グループ」(G77)を代表して発言。G77は対キューバ封鎖の押し付けを「各国の主権平等と内政不干渉の原則の違反」だとみていると指摘しました。
決議は米国が同法を継続していることを認定し、国連加盟国に対し「貿易と航行の自由を保障した国連憲章や国際法に従い」、米国の制裁法のような「法律や措置を公布、実施することを控える」よう要請。そのような法律を実施している国に対し、「廃止か無効化するために必要な措置をとる」よう求めています。
この決議は一九九二年十月、当時のブッシュ父大統領がキューバ制裁強化法に署名したことに対し、同年十一月の国連総会で採択されたのが始まり。これまで十五年連続で採択されてきました。米国は九六年の「ヘルムズ・バートン法」ではキューバへの投資を禁止し、第三国の企業活動まで規制しています。
今回初めて、同決議案に対する修正案をオーストラリアが提出。米国による経済封鎖がキューバの「民主主義と政治的自由の欠如という妥当な懸念に動機づけられたもの」だとする文言を盛り込むよう提案しました。これに対しキューバが修正案不採択動議を提出。採決の結果、賛成一二六、反対五一で修正案は取り上げられませんでした。