2006年11月7日(火)「しんぶん赤旗」
大統領選で左派優勢
貧困克服掲げ得票率40%超
ニカラグア
|
【マナグア(ニカラグア)=松島良尚】五日投票された中米ニカラグアの大統領選挙は六日朝(日本時間同夜)までの開票で、左派のサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)党のダニエル・オルテガ元大統領(60)がリードし、十六年ぶりに政権復帰する可能性が濃くなっています。
中央選管によると、開票率14・7%でオルテガ氏は40・04%を獲得。これに対し二位の右派のニカラグア自由同盟のモンテアレグレ元財務相は33・29%。第一回投票で当選するには40%以上の得票、または35%以上で二位に5ポイント以上の差をつける必要があります。
同国では、米政権ひ護下のソモサ独裁政権が一九七九年に打倒され、FSLNが臨時革命政権を樹立。これに対し米政権は反政府武装勢力(コントラ)を送り込んで干渉し、内戦状態が九〇年まで続きました。オルテガ氏は革命後初の八四年の大統領選で当選しましたが、九〇年の選挙で敗北しました。
オルテガ氏は選挙戦で、「右派政治の十六年間で国民の貧苦は解決されなかった」と新自由主義政策を批判。国民の八割にのぼる貧困の克服を正面にかかげました。
今回の選挙では、駐ニカラグア米大使がオルテガ氏に投票しないよう公然と呼びかけるなど干渉。米国は、米大使を団長とする「選挙監視団」を派遣しました。
中央選管は中間開票結果発表のさい、米選挙監視団から「選挙に透明性が欠けていた」との声明を受け取ったと発表。米政府が選挙結果に干渉する懸念がでています。