2006年11月6日(月)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪で国会緊迫
与党、週末衆院通過狙う
安倍内閣が「最重要法案」と位置づける教育基本法改悪法案をめぐって国会は、政府・与党が今週末にも改悪法案の衆院での通過を狙う緊迫した局面を迎えています。いじめ自殺や高校必修科目の未履修問題など、まともに審議をせずに強行することに国民的な批判も強まっています。
「土日を除くと(十二月十五日までの国会会期は)一カ月を切った。参院では一カ月程度の議論が必要だ」。自民党の二階俊博国対委員長は五日のNHK番組で今国会成立に執念を見せました。
衆院教育基本法特別委員会は六日から質疑を続け、八日には仙台、宇都宮、名古屋、津の四市で地方公聴会を開きます。与党は十日に特別委で締めくくり質疑と採決を行い、改悪法案を可決、本会議に緊急上程して衆院を通過させるスケジュールを描いています。
しかし、改悪法案の審議は十月三十日に再開されたばかりで、短時間の審議でも改悪法案がもたらす重大な問題が日本共産党をはじめとする論戦で浮かび上がっています。
学力テスト、学校選択制を全国に拡大させれば子どもたちのストレスをいっそう激化させ、いじめ克服にもつながらないこと、学力テストで学校への予算配分にも格差が生まれる問題などが明らかになりました。さらに、内閣府の「教育改革タウンミーティング」で政府の改悪法案に賛成するように「やらせ質問」を依頼していたことが大問題となっています。
世論調査でも改悪法案について「今国会にこだわらず、議論を続けるべきだ」の声は六割以上です。日本共産党など野党は政府案の今国会成立阻止で一致。「やらせ問題」で政府の責任を追及するとともに、公聴会も一回に終わらせず、さらに国民の声を聞くべきだと主張しています。