2006年11月5日(日)「しんぶん赤旗」
赤旗まつり2日目7万人
政治の流れに希望ある変化
来年の二大選挙 必ず勝利しよう
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「やっぱり、まつりはいい! 楽しくて元気が出るもの」――。第三十九回赤旗まつり二日目の四日は、会場の東京都江東区・夢の島公園に全国各地から約三百台ものバスが続々到着し、入場者は初日と同じ七万人をかぞえました。中央舞台では志位和夫委員長が記念演説をおこない、会場いっぱいにうめた参加者に大きな確信と勇気を与えました。
志位委員長が記念演説
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志位委員長は、「“政治の流れの変化”と日本共産党」と題して演説しました。安倍内閣になって深まる日本政治の矛盾、複雑さをはらみながら進行する“政治の流れの希望ある変化”、情勢を前向きに動かす力となっている日本共産党の奮闘を、「自民党政治の三つの異常な特質」にそくして論じました。
第一は、過去の侵略戦争を正当化する異常です。
志位氏は、個人的な歴史認識を政府方針の上に置くべきでないという日本共産党の道理ある立場について、安倍晋三首相との国会論戦にふれながら明らかにしました。安倍首相は結局、「植民地支配と侵略」を「国策の誤り」とした村山首相談話、「従軍慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話を、政府方針としても個人の認識としても認めざるをえなかったことを紹介。日中、日韓の首脳会談で前向きの一歩が踏み出されたことを歓迎しました。
同時に、侵略戦争を正当化する潮流の根深さを強く警告。靖国神社へ参拝するともしないとも言わない安倍首相の「あいまい戦略」を指摘し、侵略戦争と植民地支配に不屈に反対してたたかった歴史をもつ党として、「歴史の真実をゆがめる逆流の根を断つまで力を尽くす」と訴えました。
第二は、アメリカいいなり政治の異常です。志位氏は安倍首相が米国の要求にこたえて任期中の改憲を公言している憲法改悪問題をとりあげました。
九条改悪の方向が、世界の平和秩序に起こっている前向きの変化にいかに逆行しているかを(1)アメリカ一国覇権主義の無残な大破たん(2)国際紛争は国連を中心に国連憲章に基づいて平和的・外交的解決を追求する世界の当たり前の流れ―に照らして論じました。
とくに北朝鮮の核実験問題では、日本共産党が提起した(1)国際社会の一致協力した対応(2)問題の平和的・外交的解決の追求―の「二つの原則」が、国内政治では全会一致の国会決議として実り、国際政治では国連安保理決議と国際社会の努力方向として確認されたことを力説しました。
志位氏は「憲法九条の値打ちがますます輝く時代が二十一世紀だ」と強調しました。その中で志位氏の特別講義をきいた韓国の学生からの声を紹介しました。
「日本共産党の党首が『平和憲法は必ず守ります』ときっぱりおっしゃったとき、のどが渇いたシカが井戸に出会ったように、体のなかに感激が走りました」
志位氏が「憲法九条は日本国民の宝であり、アジア諸国民の共有財産だ。憲法改悪反対の国民的多数派を築くために力を尽くそう」と呼びかけると、会場は大きな拍手につつまれました。
第三は、極端な大企業中心主義の異常です。
志位氏は、「産経」が、「偽装請負」を告発した市田忠義書記局長の国会質問を評価したコラムなどを相次いで出したことを示し、財界・大企業の横暴に鋭い批判が広がる新しい状況を解明しました。
そのもとで、政治と職場を動かしている日本共産党の奮闘と職場の労働者のたたかいを激励。「『サービス残業』と『偽装請負』――職場からこの二つの無法を一掃し、人間らしい労働のルールを築くたたかいを前進させるためにともに力を合わせよう」と呼びかけました。
緊迫した局面を迎えた教育基本法改悪問題をとりあげた志位氏は、政府の改悪法案が持つ方向性が、いじめ問題や異常な競争教育の克服に逆行すると指摘。政府が「教育改革タウンミーティング」で改悪法案に賛成するよう「やらせ質問」をさせていた問題にもふれ、「安倍晋三首相は、教師や生徒の規範意識を問題にするが、いちばん規範意識がないのは政府ではないか。共同の輪を広げ、改悪法案を廃案にしよう」と訴えかけると、会場から笑いと共感の拍手がわきました。
最後に志位氏は、日本共産党の野党外交にふれました。自身の韓国、パキスタン両国への訪問を、パキスタンの有力政治家が日本共産党の党章が入った腕時計を愛用しているエピソードもまじえながら紹介。日本共産党の歴史と綱領路線が生命力を発揮していることを実感したとして、「『親米国家』とみなされている両国を訪問し、心通う親密な交流ができた。それ自体が世界が変わりつつあることの証明ではないでしょうか」とのべました。
志位氏は、「世界は大きく変わりつつあります。日本もまた、大きな変化の可能性をはらんだ歴史的激動の時期に入りつつあります」とのべ、次のように呼びかけました。
「日本共産党の奮闘が、情勢を前向きに動かす力となって働いています。ここに確信をもって、来年の二つの全国選挙――参院選といっせい地方選の勝利をめざして力を尽くしましょう」
「共産党 大きくなって」
「この戦争をやめさせろ!」と熱いロックのメッセージを送った「ソウル・フラワー・ユニオン」の迫力ある演奏に、老いも若きも体を揺らして応えます。普天間かおりさんが透明感あふれる声で“沖縄の心”を歌い上げ、中央舞台の会場には踊りの輪ができました。
「BumB」メインアリーナでの「青年議員・候補、サポーター大集合!」では二十―三十代の候補者が来年のいっせい地方選挙・参院選挙の勝利へエールを交換しました。青空寄席に過去最高の四千人がつめかけるなど、各企画、催しは熱気であふれました。マイクロバスでやってきた奈良県の女性(26)は「みんなとっても元気。この勢いで政治の流れも変えたい」と笑顔で語りました。