2006年11月1日(水)「しんぶん赤旗」

貸金業者同士で客のキャッチボール

貸付増やし 家取り上げ

「調査・指導を」 大門議員迫る


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(写真)質問する大門実紀史議員=31日、参院財政金融委

 サラ金などの高金利問題で、日本共産党の大門実紀史議員は三十一日の参院財政金融委員会で、大手サラ金が過剰貸し付けの防止のために提供される顧客の個人情報を悪用して不動産担保ローンの勧誘に使っていると指摘し、政府に「調査、指導を」と求めました。山本有二金融担当相は「善処する」と答えました。

 顧客の情報は「全国信用情報センター連合会」が貸金業者に提供。各社からの借り入れ状況がわかります。利用目的は法律で「返済能力の調査」に限定されています。

 大門氏は、大手アイフルと外資系のCFJがこの情報を悪用し、一人の債務者にかわるがわる融資を繰り返している実態を、被害者らからの聞き取りを基に示しました。

 複数の社から計百二十万円を借りていた熊本市の男性は、アイフルから「今より金利を下げる。自宅を担保に債権一本化を」と勧誘されました。男性は「少しでも安くなるなら」と応じ、同社のローンに借り換えました。しかし、高金利のために返済できず、他社からも借り入れました。その後、CFJから「現在の借り入れは五社で六百万円ですね」と、借り換えを勧誘する電話が入ったといいます。男性は二社の間で次々に借金を繰り返しました。

 大門氏は「両社が客のキャッチボールをし、少しずつ金利を下げながら貸付額を増やす。結託しているとしか思えない。最後は担保に取った自宅を競売にかける。連帯保証人になった高齢者の被害が多い。至急、アイフルとCFJを調査し指導を」と追及しました。

 金融庁は「今回の貸金業規制法改正で(情報の目的外使用の)罰則規定を設ける」と答弁。山本担当相は「法改正前でも、何ができるか検討したい」と語りました。


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