2006年10月31日(火)「しんぶん赤旗」
NHKへの命令反対
メディア関係者が緊急アピール
三十日、メディア研究者・ジャーナリスト十一人が連名で「NHKに対する国際放送命令に反対する緊急アピール」を発表しました。
菅義偉総務相がNHKの短波ラジオ国際放送に対し、拉致問題の重点的放送を命令する方針を明らかにしたことは、「憲法の表現・報道の自由や放送法の番組編集の自由を根底から脅かす危険がある」と、方針の撤回を申し入れています。
呼びかけ人の岩崎貞明・『放送レポート』編集長、桂敬一・日本ジャーナリスト会議会員、醍醐聰・東京大学教授、田島泰彦・上智大学教授、松田浩・メディア研究者の五人が総務省に申し入れをした後、衆議院第二議員会館で会見しました。
田島さんは、「今回の国際放送命令が従来の命令を明らかに踏み越えている」と指摘したうえで総務省がNHKのテレビ国際放送にも放送命令の対象を広げようとしていることに、注意を呼びかけました。
桂さんは、「憲法の表現の自由条項にあからさまに背く放送命令を企てることは、憲法尊重の擁護義務がある大臣としての適格性が疑われる」と語りました。
アピールは、面会を拒否したNHKのほか、電波監理審議会委員、衆参の総務委員らに同日付で送付。アピールの賛同署名を募るとしています。