2006年10月31日(火)「しんぶん赤旗」
腰痛は公務災害
東京高裁 給食調理員再び勝利
小学校給食の調理作業中に患った腰痛を労災に認定しないのは不当として、東京都板橋区職員の志村真理子さん(56)が地方公務員災害基金東京支部(支部長=石原慎太郎知事)を相手取った裁判で、東京高裁(藤村啓裁判長)は三十日、一審に続いて公務災害を認定するよう命じる判決を出しました。基金支部が昨年十二月に控訴していたもの。
基金支部は今回、志村さんが腰椎(ようつい)ねんざと診断された二〇〇〇年九月以前、腰痛治療のために電気針で施術を受けていたとする証拠を出し、症状が悪化しただけだと主張しました。
しかし、志村さんが受けていたのは、腰痛ではなく頚碗(けいわん)症候群の治療のための全身マッサージ。基金側は偽造された文書を利用して、電気針治療をしていたと偽っていたのです。
高裁で志村さんは、公務災害の前に腰痛の自覚症状がなく、治療もしていなかったとのべ、「私の知らないところで保険の請求書が偽造され、裁判の証拠として提出されたことに憤りを感じる」と証言しました。
判決は、電気針施療をした「証拠はない」と断定。志村さんが二十キロもあるステンレス製のざるを移動させた直後に激痛を生じたと判断した、〇五年十一月の地裁判決を支持し、基金支部の主張を棄却しました。
志村さんの話 弁護団や板橋区職労のみなさんの支援で、基金支部の主張を徹底的に明らかにしてもらい、二度目も勝利でき、本当にうれしい限りです。基金支部は判決に従い、公務災害を認めて、私たちの声にこたえてほしいと思います。