2006年10月31日(火)「しんぶん赤旗」

スズキ過労自殺 原告全面勝利

長時間労働が原因

安全配慮義務違反を認める

静岡地裁支部


 軽自動車大手のスズキ(本社・静岡県浜松市)の課長代理だった小松弘人さん=当時(41)=が二〇〇二年、本社屋上から飛び降り自殺したのは長時間労働が原因として、両親の小松充一さん(73)、やゑ子さん(69)夫妻が損害賠償を求めていた裁判で、静岡地裁浜松支部(酒井正史裁判長)は三十日、同社の安全配慮義務違反を認め、六千三百五十万円余の支払いを命じる判決を出しました。


 判決は、弘人さんのうつ病発症の要因が、不慣れな部署への異動によるストレスと月平均百時間におよぶ時間外労働(自殺直前)にあり、前部署での業務上の失敗も苦となって〇二年三月下旬ごろから周囲にもわかるほどのうつ病状態にあったと認定。長時間労働を放置し、「業務の負担を軽減させるための措置を何ら採らず、うつ病を発症させて自殺に至らしめた」と断罪しました。

 うつ病発症の要因を本人の性格に求めるなど過失相殺だとした同社の主張は退けられました。

 小松夫妻は「息子の無念を晴らすことができましたが、生きて救えなかったことが心の苦しみです。スズキは二度と悲劇を繰り返さないでほしい」と語りました。

 弘人さんの死については、浜松労基署が〇四年五月、業務に起因する過労自殺と認定。会社の責任を問うため小松夫妻は〇五年二月、静岡地裁に提訴していました。


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