2006年10月30日(月)「しんぶん赤旗」

難病補助外し“待った”

3道府県1市議会が意見書

患者の死活問題 北海道

受診抑制で病状悪化 山梨


 厚生労働省が難病患者の医療費公費補助制度を改悪し、かいよう性大腸炎とパーキンソン病の患者のうち、九万人近くを補助対象から外そうとしている問題で、現行制度の堅持を強く要望する意見書が二十九日までに三道府県一市議会で可決されていることが日本難病・疾病団体協議会の調べで分かりました。

 意見書を可決したのは、北海道、大阪府、山梨県、神戸市の各議会。

 北海道は、パーキンソン病は五十代後半に発病する例が多く、患者は家族の生活の中心となる人や年金生活者、かいよう性大腸炎は若年で発病し就職もままならないなどと、患者の置かれた状態に言及。「ともに経済的に不安を抱える者も多い。公費負担がなくなると、まさに死活問題となることが懸念される」と指摘しています。

 山梨県は「除外された患者においては、医療費の自己負担が増加することにともない、受診が抑制され、病状の悪化が懸念される」としています。

 大阪府は、改悪で負担増になると患者・家族は「身体的にも、経済的にも、精神的にも追い込まれることは必至」とのべ、受診抑制による病状悪化が「結果として医療費の増大を招く」懸念を表明しています。

 神戸市は、「難病患者・家族が安心して生活できる環境を守る」ため、現行制度の維持を求めています。


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