2006年10月30日(月)「しんぶん赤旗」
沖縄知事選 市田書記局長の訴え
糸数けいこ氏勝利へ
「新基地許さない」の願いで団結を
日本共産党の市田忠義書記局長は二十八日、沖縄県那覇市で演説し、十一月二日告示、十九日投票でたたかわれる沖縄県知事選で、糸数けいこ氏勝利の意義と展望をさまざまな角度から明らかにしました。
県民の7割が新基地に反対
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まず、知事選の最大争点は、政府が沖縄に押しつけようとしている新しい基地の建設を許すかどうかにあると強調した市田氏。糸数氏と日本共産党を含む野党五党が調印した「基本姿勢」が「米軍再編による基地機能強化と沿岸案、新基地建設を許さず、基地の整理・縮小・撤去をめざす」としていることを紹介しました。県民も七割以上が反対していることをあげ、「知事選は新基地を押しつける自公政府対県民のたたかいです。糸数さんを知事に押し上げ、県民の先頭に立ってもらい、政府の新基地押しつけを打ちやぶろう」と訴えました。
つぎに市田氏は、新基地計画では、千八百メートルのV字形滑走路二本に加え、空母級の大型船が出入りできる港もつくられるなど、まさに殴り込み部隊の最新鋭拠点となることを解明。「新基地を許せば沖縄は子や孫の代まで基地の島になり、『基地のない沖縄』という悲願は実現できない」とのべました。
基地問題で自公が推す相手はどうか。市田氏は、相手が現知事にたいし「政府と事を構えることがないように」とのべ、選挙政策でも「政府の話をよく聞き、なるべく早く落ち着かせる」としていることを引きながら、選挙になって「V字形は賛成できない」といいだしたのはごまかしであることを、明らかにしました。
さらに、自公勢力が糸数陣営にたいし、「基地の即時撤退という固定化論」「安保を認めないのはけしからん」と攻撃していることに事実で、反論しました。
革新市政時代 基地1.5%に減
那覇市では、革新市政時代に市民ぐるみで正面から基地返還を求めたことにより、復帰時に三割あった米軍基地が1・5%にまで減ったことをあげ、「県民ぐるみで新基地ノー、普天間基地の即時閉鎖を正面から要求してこそ基地をなくす展望が開ける」と強調。安保問題では、「沖縄の基地問題を解決しようと思えば、安保の現実と立ち向かわなければならない」とのべ、安保を絶対化する候補では基地の撤去はできないと訴えました。
同時に市田氏は「いま大事なことは、安保に反対する人も、必要だと考えている人も、立場の違いを超えて『新基地の建設は許さない』という県民大多数の願いで団結することで、これが県民への責任ある態度」と呼びかけました。
知事選では基地問題に加え、くらしと福祉の問題も鋭く問われます。
自公県政が誕生した八年前、彼らは「県政不況をなくす」と宣伝しましたが、その後の実態はどうか。
市田氏は、革新県政最終年度に7・7%だった失業率が昨年は7・9%に悪化していること、県民所得も同期間に十四万円も下がったと指摘。相手陣営は「企業誘致」で一万人の雇用を増やしたと自慢していますが、実態は、八割以上が非正規雇用です。さらに福祉では、お年寄りへのおむつ代支給が全額カットされ、国民健康保険料が高すぎて払えず、国保手帳が交付されない世帯が一万六千世帯にのぼり、介護保険料は全国一高くなっています。
自公の振興策 基地と引き換え
「なぜ自公政治ではくらしも福祉も守れないか」と問いかけた市田氏は、「それは、『沖縄のよさ』『沖縄の可能性』をのばすという立場がなく、基地に頼り、基地とひきかえの振興策に頼り、本土企業に頼るから」と指摘。沖縄でも、革新市政の石垣市では、観光と一次産業を結びつけて全国注目の経済発展をつくっている例を挙げました。振興策も基地と引き換えでなく、自由に使えるものにする必要性をのべ、糸数氏勝利で県民本位の政治を取り戻そうと訴えました。
最後に市田氏は、沖縄の選択を全国が注目しており、自公勢力が安倍首相自ら「米軍再編を円滑に実施するため」と、安保・基地絶対の政治をすすめるために総力をあげる一方、日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党が二十六日に書記局長・幹事長会談を開き、糸数氏勝利のために力を尽くすことを確認したと報告、次のように呼びかけました。
「糸数けいこさんが勝てば、沖縄で新基地押しつけをはねかえすだけでなく、全国のたたかいを励まし、日本全体の米軍再編・新基地建設をストップさせる力になります。頑張って頑張りぬいて素晴らしい結果をだそうではありませんか」