2006年10月30日(月)「しんぶん赤旗」

東京大空襲

訴訟原告団を結成

被害者・遺族ら 「国の責任問う」


 第二次大戦末期、多数の市民が犠牲になった東京大空襲の被害者、遺族らは二十九日、国に対し空襲被害への賠償や謝罪を求める訴訟原告団(星野ひろし団長)を結成、東京都の台東区民会館で結成のつどいを開きました。同日現在、原告団は北海道から九州まで百三十八人。弁護団は九十五人。来年三月に訴訟を起こす予定です。

 旧軍人や軍属に対しては、恩給制度などがありますが、一般市民については「日本国民が等しく受忍しなければならない戦争損害」とされ、原則的に補償の制度はありません。

 結成のつどいでは訴訟の目的として、▽民間人犠牲者への差別を改め、補償と謝罪を国へ求める▽東京大空襲が国際法違反の無差別絨毯(じゅうたん)爆撃であったことを認めさせ、戦争を始めた国の責任を追及する▽民と兵の差はなく、日本の国土が戦場だったことを明らかにする―ことなどを確認しました。

 弁護団長の中山武敏弁護士は「東京大空襲における国の責任を司法に問う最後の機会であり、歴史的意義のある裁判になるだろう」とのべました。

 学童疎開中に家族を亡くしたという女性(74)は「家族の死すら確認できなかった」苦しみを語り、「いまだに声を上げられない戦争孤児が大勢いる。彼らのためにも頑張りたい」と発言。

 四歳のときに東京大空襲にあい、母と姉、妹を亡くしたという男性は、時折声を詰まらせながら、「父と二人で食うや食わずで生き抜いてきた。この国を再び戦争する国にさせないためにも訴訟を勝ち抜きたい」と語りました。


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