2006年10月29日(日)「しんぶん赤旗」
アイフル被害対策全国会議
金利下げ 運動の勝利
「見直し規定の監視必要」
サラ金などの高金利問題で、大手アイフルによる被害の救済に取り組む「アイフル被害対策全国会議」が二十八日、名古屋市内で六回目の集会を開きました。金利引き下げ問題で与党が高金利特例導入や利息制限法の改悪を断念してから、初の全国会議。「運動の勝利。多重債務被害の根絶へ向けた大きな一歩だ」と歓迎する声と同時に、「今後も監視・取り組みが必要だ」との指摘も相次ぎました。
「ついに与党を動かした。われわれの運動の広がりがここまで追い込んだ。野党も結束した」。日本弁護士連合会上限金利引き下げ実現本部の宇都宮健児本部長代行は、国会での金利引き下げ問題の情勢を報告し、こう話しました。一方、与党案が盛り込んだ施行後二年半以内の金利制度「見直し」規定については「監視が必要」と強調しました。
「今度の法改正だけで多重債務問題が解決できるわけではない」とも語り、▽与党案にある公布後三年間の「準備期間」の短縮▽ヤミ金業者の取り締まり強化▽被害者支援制度の整備――などを求める運動を引き続き進めるとしました。
パネルディスカッションには大手サラ金の元社員二人が参加。「客の返済能力など考えずに貸し付けた」「客の多くは破たんに追い込まれた。ごく短期の客を除いて、完済した人を見たことがない」などと業界の実態を紹介しました。
アイフル被害対策全国会議代表の河野聡弁護士は「金利引き下げによって業界は寡占化が進み、銀行との提携なども強まるだろう。過剰融資などの業者の行為だけでなく、資金を出す銀行の責任の追及も強める必要がある」と話しました。
採択された集会宣言は「ほとんどすべての貸金業者は今現在も利息制限法に違反する金利を取り続けている」と指摘、今後も被害者救済と業者の告発などを進めるとしています。