2006年10月28日(土)「しんぶん赤旗」
粉じん濃度測定義務化を
トンネルじん肺問題 高橋議員要求
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日本共産党の高橋千鶴子議員は二十七日、衆院厚生労働委員会で「トンネルじん肺訴訟」に関し、トンネル工事現場での粉じん濃度測定の義務化を行うよう厚労省に求めました。
国発注のトンネル工事に従事して、じん肺になったことに対し、九百六十四人が全国十一の地裁に訴えています。七月に東京、熊本で、十月に仙台で国の責任を認める判決が出ました。
高橋氏は冒頭、国が控訴したことに抗議。「粉じん濃度測定は原告団の要求の第一に挙げられている。なぜやらないのか」とせまりました。
厚労省の青木豊労働基準局長は「掘削機のそばでの測定作業は危険で困難であり、義務付けることはしない」と答えました。
金属鉱山と炭鉱については、工事現場での測定が義務づけられています。トンネル工事では、厚労省が二〇〇〇年に換気状況を調べる目的で、工事現場から五十メートル離れた場所での測定を「ガイドライン」で定めただけです。高橋氏は「ガイドラインに基づく測定では実態とは遠い。掘削機そばで測定すれば仕事をさせられない環境だとわかることを恐れているのではないか」と指摘し、「労働者の安全を守るためには、粉じん濃度測定が絶対に必要だ」と追及しました。
柳沢伯夫厚労相は「科学的所見をふまえて対策に取り組んでいきたい」と答弁しました。