2006年10月28日(土)「しんぶん赤旗」

「国民は不安」と公明質問

それでも賛成なぜ

　二十七日の衆院本会議で各党が「防衛省」法案の質問に立ちました。公明党の佐藤茂樹議員の質問は、「懸念」「不安」の言葉をいくつもあげたのが特徴です。

　――国民の一部では、防衛省になると、なし崩し的に専守防衛などの基本的な防衛政策が変容し、軍事大国化の道を開くのではないかとの懸念があることも事実だ。

　――憲法九条を逸脱する自衛隊の活動を認める道を開くのではないかとの国民の不安がある。

　――次の段階として、集団的自衛権の行使を認めるのではないか。

　――防衛省へ移行することで、予算が拡大していくのではないか。

　今回の法案は、国民の批判を無視する一方で、米国からの要求には応えて海外派兵を積み重ねてきた政府が、今度は海外派兵を「本来任務」化し、「防衛省」へ移行しようというもので、国民の「不安」「懸念」は当然です。

　これだけ国民の｢不安｣｢懸念｣を紹介するならば、法案そのものを認めず、国会に出さなければいいはずです。ところが、佐藤氏は壇上から法案への賛成を表明し、自民党席から大きな喝さいを浴びました。