2006年10月26日(木)「しんぶん赤旗」
「過労死は自己管理」
有期雇用など議論 使用者側が暴言
労政審
労働政策審議会の労働条件分科会が二十四日開かれ、有期労働や管理監督者の扱いについて議論しました。過労死について使用者委員が「自己管理の問題。他人の責任にするのは問題」と暴言をはき、労働者委員から「現実を見ていない」と批判の声が上がりました。
有期労働では、契約期間中の解約禁止や不必要な短期契約の更新防止などを労働契約法に盛り込むかどうかが焦点です。
労働者委員は「コスト削減のためパートや派遣など有期雇用への置き換えが増えている」として「入り口(使う理由)と出口(更新回数や期間)規制、均等待遇の三点が必要だ」とのべました。
使用者委員は「待遇がいいから本人の都合で有期雇用に切り替える例もある」「規制を厳しくするほどリスク回避のため短い契約になる。それでいいのか」などとのべルール化に反対しました。
労働者委員は「待遇がいいから有期契約を選ぶなど一部の話」「コストダウンのため恒常的な仕事に有期雇用を使うのは問題」と批判。公益委員からも「ヨーロッパでは有期契約は客観的理由がないといけない」との指摘が出されました。
管理監督者について労働者委員は「重要な決定権など持たない課長まで管理監督者にされ、残業代が払われていない」と指摘。新たに深夜業についても適用除外にすることは「過重労働になり健康に影響する。過労死も増えているのに外す理由はない」とのべました。
使用者委員が「権限を下におろす例が増えており、役職だけでくくれず法律に合わない」と主張したのにたいし労働者委員は「範囲を広げすぎている実態のほうが問題。法律に明記してただすべきだ」とのべました。