2006年10月25日(水)「しんぶん赤旗」
新しい国際労働組織結成へ
「国際労働 組合総連合」
来月ウィーンで大会
十一月一―三日、新しい国際労働組織、国際労働組合総連合(ITUC、略称ユニオン・インターナショナル)の結成大会がウィーンで開催されます。新組織は、国際自由労連(ICFTU)と国際労連(WCL)がそれぞれ解散したあと、両組織に加盟するナショナルセンターによって新たに結成されるもの。世界百六十カ国三百八十のナショナルセンターを組織し、約一億七千万人の組合員を擁する、実質的に世界最大の国際労働組織の誕生となります。
「反共主義条項」削除した規約に
戦後の国際労働組合運動は、一九四五年十月の世界労連(WFTU)結成とともに始まりました。その後、共産主義とファシズムを同列視し「あらゆる全体主義に反対」という表現で反共主義を掲げて世界労連を分裂させ、一九四九年に結成されたのが国際自由労連でした。ところが、この反共主義をめぐって、国際自由労連の内部では五〇年代以降、内部対立が繰り返されてきました。
また、キリスト教の社会原則を基礎に結成された国際労連も、特定の宗教を掲げることが組織拡大の妨げになったため、六八年になって、宗教的イデオロギーを排除し、その名称からも「キリスト教」を削除し、今日の国際労連へと改称しました。
ユニオン・インターナショナルは、国際自由労連が結成以来掲げてきた「反共主義条項」を削除した、新しい規約を採択する予定になっています。
グローバル化と職場のたたかい
「新自由主義」路線に基づく経済のグローバル化は、格差と貧困の拡大、失業と非正規労働者の増大、人権と労働組合権の侵害など、労働者と国民に大きな社会的犠牲を押し付けています。こうした攻撃に対して、職場からのたたかいで反撃し、労働条件の改善など具体的な要求実現に向け奮闘することが、労働組合に求められます。
ユニオン・インターナショナルがどのような運動を展開するのか、また、世界労連や、いずれの国際組織にも加盟しない労働組合との連帯と共同をどう前進させるのか、注目されます。
(筒井晴彦 党国民運動委員会)