2006年10月25日(水)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪
政府与党、成立へ態勢
共産党 徹底審議・廃案めざす
安倍内閣が「最重要法案」と位置づける教育基本法改悪法案の今国会での実質審議入りが三十日と決まりました。政府・与党は同法案成立に向けて新たな態勢づくりに入るなど、動きを本格化させています。
文部科学省は二十四日、教育基本法改悪法案の審議入りを前に同省の全部局の幹部で構成する「教育基本法改正推進本部」の会合を開きました。伊吹文明文科相は「全員で緊張感をもって対応していただきたい」とハッパをかけ、「(関連の)教育関係諸法令、それに基づく政令、通達、告示を変えて、これからの日本にふさわしい人材を育成しなければならない」と教育基本法改悪をバネに教育制度全般の「改革」にとりくむ姿勢を示しました。
二十三日に安倍晋三首相は教育基本法改悪法案の審議を最優先にすすめるよう与党に指示。これを受け与党は今国会での優先課題をしぼり、野党側が強く反対している「共謀罪」法案は二十四日の衆院法務委員会理事会で審議を先送りすることを決めました。
日本共産党の石井郁子衆院議員は「東京の『日の丸・君が代』押しつけを断罪した東京地裁判決も、相次ぐいじめ事件も現行の教育基本法にそった教育こそ必要なことを示している。ところが安倍内閣の『教育再生』は国の介入を強め、競争を激化させるものです。その推進のために政府案成立を狙っている。徹底審議で廃案に追い込むよう全力を尽くしたい」と話しています。