2006年10月23日(月)「しんぶん赤旗」
核廃絶への役割議論
長崎 地球市民集会が分科会
長崎市で二十一日に始まった第三回核兵器廃絶・地球市民集会ナガサキは二十二日、約千二百人が参加した前日の全体集会に続いて、五つの分科会を開きました。
分科会は、核不拡散体制が弱体化したもとでの国連や軍縮会議、各国政府とNGO(非政府組織)の果たす役割や、核兵器廃絶へ向けた被爆者運動、平和教育について活発に討論しました。
「平和教育フォーラム」の分科会では、「戦後六十年を経てもなお、暴力文化の頂点をなす核兵器とその新たな拡散が世界の平和を脅かしている」として、学校や地域での平和教育のあり方を話し合いました。
軍縮教育家のキャサリン・サリバン氏(アメリカ)は「核の恐怖を音として体験しよう」と平和教育の実践を披露。「感性豊かな若者の率直な感情を引き出し、それを平和と正義の実践に結びつけることが平和教育では大切だ」とのべました。
活水高校の草野十四朗教諭は「学生の思考力、社会参加の力を通した平和学習が必要」と指摘。一方、公教育で平和教育が正当に位置付けられていないなど、教育行政への疑問を表明しました。
「青少年フォーラム」には、高校生や大学生、青年約百二十人が参加、「核兵器とは何か」を学びグループ討論。「今も二十七万人もの被爆者が苦しんでいることに驚いた」「原爆の影響がいまも続いていることは重大だと思った」との発言がありました。
被爆者の下平作江さん(71)と山脇佳朗さん(72)の被爆体験やその後の話を聞き、「核兵器廃絶へ若者として何ができるか、何をするべきか」を熱心に語り合いました。
集会は、市民や長崎県・市などでつくる実行委員会が世界のNGOによびかけて開きました。