2006年10月21日(土)「しんぶん赤旗」
小中学生医療費1割助成
都、来年10月実施へ
党都議団 所得制限の撤廃も要求
東京都福祉保健局は二十日、小・中学生の医療費の自己負担分(三割分)について、二〇〇七年十月から独自に一割分を助成する義務教育就学児医療助成事業を来年十月から実施する方針を明らかにしました。都は、助成費用を約二十九億円、最初の年は年度途中実施のため約九億八千万円と試算し、来年度予算に向けた局要求に盛り込みました。小・中学生の通院・入院とも助成対象にするのは、都道府県レベルでは初めてです。
都は現在、小学校入学前までの子どもの医療費自己負担分を区市町村と半額ずつ負担して全額助成する「乳幼児医療費助成制度」(所得制限あり)を実施しています。
来年度から創設する新制度は、三割の自己負担分のうち、一割分について都と区市町村が半額ずつ助成。現行制度同様、国の児童手当に準じた所得制限を設けるとしています。
サラリーマン世帯の場合、年収が八百六十万円未満の世帯が対象となる見込みで、都内に八十五万人いる小・中学生の約八割が対象になる見通しです。
都内では、港、北、台東の三区が独自に中学卒業まで入・通院とも全額助成を実施、世田谷区でも十二月から開始するなど、独自に対象を拡大したり所得制限を撤廃する流れが広がっています。
日本共産党都議団は、都民運動と結んで子どもの医療費助成の拡充を一貫して要求。〇四年九月都議会以来、中学三年生まで拡大することをくり返し提案してきました。今年の九月都議会でも条例提案や質問で対象年齢の拡大を求め、質問に対し山内隆夫福祉保健局長は、「具体的な検討に着手している」と答えていました。
日本共産党都議団の吉田信夫幹事長は「一歩前進の貴重な成果です。医療費無料化と所得制限撤廃に向け、さらに頑張ります」と話しています。