2006年10月20日(金)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪案 一から議論のやり直しを
いじめ自殺で考えるべき二つの問題
志位委員長会見
日本共産党の志位和夫委員長は十九日の記者会見で、継続審議となっている政府の教育基本法改悪法案の対応を問われ、「継続審議だからといってずるずると再開するやり方ではなく、(先の通常国会から)新しい首相と文部科学大臣になったわけだから、一からの議論のやり直しが必要だ」と述べ、徹底審議のすえ廃案に追い込む立場を表明しました。
志位氏は、安倍首相が掲げる「教育再生プラン」が、子どもたちを過度な競争に追いたて、小中学校の段階から「勝ち組・負け組」に振り分けるものだと批判。日本の過度な競争システムには国連からも厳しい勧告が寄せられていることを指摘し、「(安倍プランは)教育の再生ではなく、教育の破壊になる。そういう角度から(改悪法案を含め問題を)ただしていきたい」とのべました。
また志位氏は、いじめやいじめを苦にした自殺が相次いでいる問題を記者団に問われ、「学校側が関与し、一緒になってそういう事態をつくりだしたことは厳しく批判されないといけないと思う。同時に、いじめによる自殺という絶対に学校であってはならない事態がひきおこされている根っこを私たちはよくみる必要があると思う」と指摘し、「学校教育にかかわっては二つの問題があると思う」とのべました。
一つは、上からの管理と統制でしめつけるやり方です。政府は教育現場に「いじめ半減五カ年プラン」という数値目標を押しつけています。
志位氏は「これでは数値目標達成のために実態が奥に隠れてしまうという問題が指摘されている」とのべ、数値目標を上から押しつけるやり方では、いじめの実態はみえないところにいってしまい、子どもからのサインも受けとめられなくなり、教員も子どもの命に目を向けるのではなく、教育委員会など上の方に目を向けるようにさせられていく問題をあげました。
もう一つは、競争主義によって子どもが「勝ち組・負け組」に振り分けられる学校の制度が、子どもたちの心を深く傷つけているという問題です。
志位氏は「安倍首相の『教育再生プラン』のやり方は、いまのいじめ問題の解決にも逆行する、よりそれをひどくする事態をつくる」と指摘しました。