2006年10月15日(日)「しんぶん赤旗」
労政審会合
「解雇の金銭解決」導入
労・使、真っ向対立
労働政策審議会労働条件分科会の会合が十三日あり、金銭を払えば解雇が自由にできる「解雇の金銭解決」制度の導入などをめぐり労働者・使用者側委員の意見が真っ向から対立しました。
「解雇の金銭解決」について使用者側は「裁判は時間がかかり、解雇無効になっても信頼関係が崩れ職場に戻れないケースがある。選択肢を広げるべきだ」とのべました。
労働者側は「金さえ払えば解雇できるのなら解決の道を閉ざすことになる。金銭解決がまかり通れば解雇権乱用がはびこる」と批判しました。
解雇のルールの明確化について労働者側は「最近は経営戦略で行う風潮があり大問題。労働契約法に整理解雇に関する判例法理の四要件を盛り込んだ方がよい」とのべました。
使用者側委員は「あらゆる事案を四要素に固定するのは行き過ぎ。雇用の多様化のなかで柔軟に対応しなければならない」と反対しました。
出向や転籍、懲戒などに関するルールの明確化についても使用者側は、使用者が一方的に定めることができる就業規則に委ねるべきだとして、消極的姿勢を示しました。
労働者側は「結婚や子育て、介護など入社時には想定しえない事態が起きる。育児介護休業法で配転などに配慮しなければならなくなっている。家族的責任も含めて明確にしておくべきだ」とルール化を求めました。
整理解雇四要件 (1)必要性(2)回避努力(3)手続きの適正さ(4)人選の適正さ―の四つの要件を満たしていない場合、整理解雇は無効とする判例法理が確立しています。