2006年10月14日(土)「しんぶん赤旗」
市田質問 その時、委員会室は
傍聴席から「ホー」
それまで私語などを交わしていた委員たちの目が、質問者と答弁者を代わる代わる見つめるようになりました。十三日、参院予算委員会が開かれた第一委員会室。日本共産党の市田忠義書記局長が派遣労働者の実態を詳しく紹介したときでした。
「手取りわずか十万円。発熱で倒れたらクビになった…」
市田氏が派遣会社大手「クリスタルグループ」オーナーの経営方針を読み上げます。「『プロは違法行為が許される、境界線で勝負する…』」。思わず「へー」「ホー」という声が傍聴席から聞こえます。
さらに、市田氏が、パネルを使って、派遣元と派遣先が労働者から利潤を吸い上げる仕組みを解説します。
身を乗り出した民主党の女性議員に、隣席の男性議員がパネルの内容を身ぶりをまじえて説明しています。別の民主党男性議員は、傍聴していた日本共産党の井上哲士議員の方を振り返って「あの資料、配布してくれないの」。
市田氏は、違法な派遣で利益を上げた受け入れ企業名を明らかにするよう迫りますが、厚労省は「個別企業にかかわる情報なので」と拒みます。
市田氏がクリスタルグループの資料から作った受け入れ事業所のリストを示すと、委員会室はふたたび「おー」というどよめきに包まれました。(安)