2006年10月14日(土)「しんぶん赤旗」
英参謀長が撤退主張
イラク駐留で状況悪化
【ロンドン=岡崎衆史】英陸軍のリチャード・ダナット参謀長はデーリー・メール紙十三日付とのインタビューで、イラク駐留英軍がイラクの治安状況を悪化させているとして、早期撤退を求めました。英国は七千人以上の兵力をイラクに駐留させています。今回の発言は、制服組の最高首脳の一人が駐留継続というブレア政権の方針に公然と反旗を翻した形です。
同参謀長は、「私たちの駐留は治安を悪化させており、近いうちに手を引く」べきだと述べました。イラク侵略の経緯については、「明らかに私たちは当時のイラク人に招待されてはいなかった。二〇〇三年の軍事行動はドアをけ破ってしまったという事実を認めなければならない」と発言しました。
さらに、「私たちが世界で直面している困難がイラク駐留によって引き起こされているとはいわないが、イラク駐留が事態を悪化させているのは疑いない」と述べ、イラク人の意思を無視した強引な軍事行動と軍駐留が、イラク情勢の泥沼化やロンドン同時テロを含むテロ拡大の要因となっているとの見方を示しました。
ダナット参謀長は侵略の目的にも言及。「もともとの意図は自由民主主義を植え付けることだった」が、「私たちがそれを実現するとは思えない。より低い目標を目指すべきだ」と述べました。