2006年10月13日(金)「しんぶん赤旗」
業界団体誌で次々発言
サラ金から献金 自民政治家
「金利引き上げを」「最終的には自由金利に」
日本共産党の高金利引き下げ対策チームの調査で貸金業界からの多額の資金提供が明らかになった安倍内閣の閣僚や自民・公明の国会議員。サラ金の業界団体誌にかわるがわる登場し、「消費者のニーズのために金利引き上げを」などと業界の立場で発言している政治家が多数います。
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この雑誌は『クレジット・エイジ』。大手などのサラ金業者約八十社が加盟する任意の業界団体「日本消費者金融協会(JCFA)」(会長・木下盛好アコム社長)が発行しています。
「リスクの高い人への貸し出しは当然そのリスクを織り込んで金利を高く設定…これが市場原理なのですが、それがなかなか理解されていない」(二〇〇五年十二月号)
安倍内閣で経済産業大臣に就任した甘利明氏のインタビューです。
ほとんどの業者が利息制限法の上限を上回る、法的に無効な高金利で貸し出して利潤を得ている現状に、目を閉ざした議論です。
保岡興治衆院議員(元法相)は木下JCFA会長と〇六年一月号で対談。「望ましい金融業の全体像を実現するためには、消費者のニーズに応えるためにも、上限金利を引き上げる必要があるのだという根拠を示していくことが大切」と語っています。
保岡氏は、上限金利を超えて支払った債務者を救済している弁護士にもかみついています。
「弁護士の先生方の過払い金返還請求訴訟のあり方にも問題がある…ニーズに応えて、まじめに貸借したものまでも法の不備を突いて、訴訟にすれば貸主の経営の安定性を損ねますし、借主側にモラルハザードが起こります。それは弁護士倫理にかなわないのでは」
不当な高金利で貸している現状を、「借りたものを返さないという道徳の問題」にすり替えています。このほか、柳沢伯夫厚生労働大臣は〇五年十一月号に「『市場』を大切に」とする論文を寄稿。渡辺喜美金融担当副大臣もインタビューを掲載(〇五年八月号)しています。西川公也衆院議員は「29・2%っていう(出資法の上限)金利は決して高くはない」「個人的に最終的には、自由金利にしてみたいよね」(〇五年七月号)と話していました。