2006年10月13日(金)「しんぶん赤旗」
サラ金業界、自公に1949万円
03−05年
資金提供 5閣僚にも
日本共産党チーム調査 高金利維持工作の最中
サラ金などの高金利引き下げが国会の焦点となる中、渦中の貸金業界の政治団体「全国貸金業政治連盟」(全政連)や貸金業者から自民、公明両党に、二〇〇三―〇五年の三年間で、パーティー券代や講演料などの名目で少なくとも千九百四十九万円の資金提供があったことが、日本共産党の高金利引き下げ対策チーム(責任者=大門実紀史参院議員)の調査でわかりました。安倍内閣の閣僚五人も名を連ねています。貸金業界は金利引き下げ阻止のため政治工作を続けており、与党・政府の姿勢が問われます。
同チームが資金の流れを調べたのは、全政連と自民、公明両党、安倍内閣の閣僚、金利問題で業界寄りの発言をしている与党国会議員ら。資金管理団体や政治家が支部長を務める党支部の〇三―〇五年の政治資金収支報告書を調査しました。
それによると、自民党や同党議員への献金、パーティー券代、機関紙購読料などの資金提供は三年間で計千七百十九万円に、公明党は二百三十万円にのぼりました。(表参照)
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塩崎恭久官房長官の七十五万円、甘利明経産相の九十七万円、山本有二金融担当相の十五万円など、安倍内閣の経済閣僚らがずらり。中川秀直・自民党幹事長も十二万円を受けています。
自民党は今年九月、期限付きで特例高金利を導入するほか、利息制限法の上限金利を事実上引き上げるなど業界に有利な「改正」案を作成しています。
公明党が受けた資金は大部分が政党新聞代。議員への講演謝礼やパーティー券代も含みます。
全政連は〇五年、交際費として「贈答品購入代」を支出したと収支報告書に記載しています。同チームは全政連が提出した領収書を入手。名目は「商品券代」「中元ギフト代」「品物代」で、合計額は二百二十五万円にのぼっています。
全政連は「業界の発展のために必要な政治活動を行うことを目的に設立」(全政連広報)された団体。チーム責任者の大門議員は「贈答品も政党工作に使ったとみられる」と指摘。「業界からカネをもらった政治家がこれだけ内閣に入っている。これでは『サラ金内閣』と呼ばれても仕方がない。業界ではなく消費者の視点に立った法改正を求めていく」と話しています。
調査結果は、大門議員と同チーム事務局長の仁比聡平参院議員が十二日、国会内で記者会見し、発表しました。