2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」

教育基本法

「改正」反対、国会に見解

日本教育学会の歴代4会長


 日本教育学会(佐藤学会長、会員約二千七百人)の歴代会長四氏が十日、教育基本法「改正」案の廃案を求める「見解」(全文は本紙八月三十、三十一日付で既報)を衆議院の教育基本法特別委員会に提出しました。

 提出したのは佐藤・現会長と大田堯、堀尾輝久、寺崎昌男の各元会長。「見解」は四氏が八月にまとめたもので、政府の教育基本法「改正」案と民主党の「日本国教育基本法案」について、「改正理由」「憲法との関係」などの問題点を指摘。「二法案はいずれも廃案とし、引き続き教育問題を広く人々の議論にゆだねつつ、現行法の精神をより豊かに発展させることをねがう」とのべています。

 四氏は同日、そろって記者会見。堀尾氏が「見解」の趣旨を説明し、「『改正案』は画一道徳を国民に強いるもの」(大田氏)、「『基本法』は本来、政策と行政の原理を規定するもので、国民を束縛するものではないのに、それに反している」(寺崎氏)、「子どもたちが置かれている現実は何ら議論されておらず、現場の混乱を深めるだけ。法律で心の領域まで規定することに驚きと恐怖を感じる」(佐藤氏)と問題点を指摘しました。

教育研究者600人近く賛同

会長「見解」に

 日本教育学会の歴代会長四氏が発表した教育基本法「改正」についての「見解」に対して、これまでに六百人近い教育研究者が賛同を表明しています。署名呼びかけ発起人の一人、藤田昌士・前日本生活指導学会代表理事が十日、記者会見で明らかにしたもの。

 賛同署名は、藤田氏や桑原敏明・日本教育制度学会会長ら五人を発起人に、「日本の主要な教育学会をほとんど網羅」(藤田氏)する二十七教育関係学会の現・元会長ら四十一人が呼びかけ人になって今月一日に開始しました。九日の第一次集約までに五百五十人が署名を寄せ、呼びかけ人とあわせた賛同者は約六百人となっています。

 藤田氏は「今後さらに賛同者が大きく増える見込みです。月末までに国会に提出したい」と語りました。


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