2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」
米兵の負傷急増
9月 過去2年間で最高
イラク
【ワシントン=鎌塚由美】米紙ワシントン・ポスト(八日付)によると、イラクでの米兵の負傷者数が急増し、九月の負傷者数は七百七十六人で、過去約二年間で最高となったことが明らかになりました。ファルージャ攻撃のあった二〇〇四年十一月以来で最高となり、イラク開戦以来では四番目に高い数字となっています。負傷者数の増加は十月になってからもおさまる様子はなく、第一週ですでに三百人近い兵士が負傷しているといいます。
同紙は、軍事専門家の言葉として、メディアは兵士の死者数に注目しがちだが、戦闘の激しさを示すのは負傷兵士の数だと指摘。理由として、過去の戦争では命を落とすほどの負傷でも、現在では防護具および医療の進歩で兵士が生き残れるからだとしています。イラク戦争での戦死兵士は、二千七百人を超えましたが、負傷兵は二万人以上となっています。
負傷者の急増の背景には、西部アンバル州やバグダッドでの戦闘激化があるといいます。米軍報道官は同紙に対し、「連合軍に対する攻撃は確実に増加している。敵は、(バグダッドの東部と西部地域に)進入し、勢力を回復しようとしている」と語っています。
現在の勢いで負傷者が急増を続けると、十月はイラク戦争における「最悪の一カ月」となる可能性もあるといいます。