2006年10月9日(月)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪
反対世論 急いで
教育課程でシンポ 民研が全国集会
民主教育研究所(民研)の第十五回全国教育研究交流集会が八日、東京・千代田区の明治大学を会場に、教職員・教育研究者ら約二百人が参加して開かれ、「教育基本法『改正』に抗し、教育課程を考える」をテーマに、シンポジウムなどがおこなわれました。
堀尾輝久・同研究所代表運営委員が憲法・教育基本法「改正」問題を考えると題して講演。国会審議で「改正」案の問題点が明らかになり、校長・元校長にも批判の声が広がるなど、さまざまな反対の動きが広がっていることを指摘。憲法と教育基本法は一体のものであり、国民一人ひとりの学ぶ権利を保障した教育基本法にもとづいて、国民の教育権や教育の自由を再構築していくことが課題になっていると語りました。
集会実行委員長の佐貫浩・法政大学教授は基調報告で、「安倍内閣は教育基本法『改正』にむけた戦闘体制。全力をあげ、反対の世論を急速に広げなければならない」と強調。基本法「改正」の動きと結びついて中央教育審議会で議論が進んでいる教育課程の再編の問題点を指摘し、「生きる力」を回復するには子どもの心の現実に寄り添い、共感し、励ましていくことが重要だと述べました。
シンポジウムでは、教育研究者や現場教師が格差の広がったアメリカの教育の実態や、理科や算数を生活と結びつけた授業で子どもたちが生きいきと学んだ経験などを報告。教育基本法が方向性を示している「学力」とは何かという問題や、日本の教育実践・研究の蓄積を生かす必要性が強調されました。
会場からは格差拡大のなかでの子どもの状況も出され、そのなかでどのような研究や実践が求められるのかなどを討論しました。
九日には「教育改革と教育基本法」など十一の分科会が開かれます。