2006年10月7日(土)「しんぶん赤旗」
将棋新人王戦U―26決勝 第1局
糸谷四段が先勝
第三十七期将棋新人王戦U―26(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負第一局は六日、東京・将棋会館で糸谷哲郎四段(18)と横山泰明四段(26)とのあいだで熱戦が展開され午後五時一分、先手の糸谷四段が一一七手で勝ちました。
午前十時、立会人の小野修一八段、奥原紀晴赤旗編集局長らが見守るなか対局開始。後手の横山四段がはやばやと中飛車戦法の態度を示したのにたいし、糸谷四段は得意の「右玉」戦法をとりました。これは糸谷四段が独自に編み出した戦法として、いま注目を浴びている戦法です。
33手目、糸谷四段は9筋に角を出て後手陣に揺さぶりをかけ、局面が動きました。数手後、横山四段の△8四歩に糸谷四段が▲7五角と上がったのを見て小野八段は「奇想天外な将棋です。面白いですね」と評します。ここで昼食休憩。
60手まで進んだ午後三時。持ち時間各3時間のうち、横山四段の消費時間2時間39分にたいし糸谷四段はわずか55分と、大差がつきました。
糸谷四段が65手目▲2四歩として2筋からの攻めを見せたあたり、控室では「横山四段は受け方に困っているんじゃないか」という声が出ていましたが、二十数手進んだ局面では、「▲6三歩は手がすべった。糸谷四段、急に困った局面になった」の声が出るようになりました。
糸谷四段は91手目、▲同銀に29分の大長考を払って勝負手を模索。93手目▲5五桂から一気に後手玉に攻めかかりすばやく寄せきりました。
糸谷四段の話 序盤はうまく運んだと思いますが、押さえ込みに失敗して危なかった。どうにか勝てました。
横山四段の話 途中、盛り返したと思ったんですけど…。98手目▲4六角で▲6四桂と打てばまだいい勝負でした。
|