2006年10月6日(金)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」
強制反対を理由に解雇
“都教委は撤回を”
卒業式などでの「日の丸・君が代」強制に反対したことを理由に定年後の嘱託採用などを拒否された都立学校の元教員らが四日、東京都教育委員会にたいし解雇・不採用の取り消しと現場への復帰を求める要請を行いました。
要請したのは、「日の丸・君が代」を強制する都教委の通達(二〇〇三年「10・23通達」)に基づく校長の職務命令に違反したとして、定年後の嘱託合格を取り消された元教員十人と、嘱託採用自体を拒否された元教員十三人。この二十三人は解雇・不採用の撤回を求め東京地裁に提訴しています。
要請では、都教委が処分の根拠としている「10・23通達」について、東京地裁が違憲・違法としたことをあげ、通達に基づく処分を撤回し、一刻も早く嘱託の身分回復をし、嘱託員として採用することを求めました。
要請後の記者会見で水口洋介弁護士は、同判決の翌日、石原慎太郎都知事が「いきなりクビにするわけじゃない」とのべたことについて、「10・23通達」以前は再雇用率はほぼ100%だったことや、「日の丸・君が代」だけを理由に嘱託採用を拒否された事実をあげて批判しました。
赴任先での時間割も決まっていたのに、〇四年三月に突然、再雇用合格を取り消された相田堯夫さんは「都には、判決を待たずに、一刻も早く職場へ戻すよう求めたい」と述べました。