2006年10月5日(木)「しんぶん赤旗」

第39回 赤旗まつり

「譲れない思い」歌に

私も出演します

シンガー・ソングライター

きたがわてつさん

3日午前 中央舞台


写真

 昨年デビュー三十周年を迎え、きたがわてつさんは「この機会を一つのステップにしたい」と考えてきました。今年、「憲法9条ツアー」を企画し韓国(五月)と中国(九月)を訪問、「アジアの痛み」をびんびん感じたといいます。

 元「従軍慰安婦」の住む「ナヌムの家」でコンサートを開きました。

 「日本から来た男性というと冷たい目で見られるのではと心配でした。一人の年配の女性が近づいてきて『イチゴを食べなさい』と。とてもうれしかったです」

 赤旗まつりで演奏を予定している『サラン(愛)』は、「従軍慰安婦」の人たちの運動の力になりたいと願ってつくった歌です。

 中国・シルクロードの旅では、「九条を大切にしたいグループ」とあいさつをしたら、大歓迎を受け、「安倍首相になって、九条が変えられるのではと不安に思っている人たちが多く、反応がよかった」と話します。

 日本でも、全国各地の「九条の会」に呼ばれて、飛びまわる日々です。コンサートでは「日本国憲法前文」や「九条」を歌にして、その精神を届けます。中央舞台に登場する十一月三日は、憲法公布六十周年の日。開幕ステージを飾ります。

 「まつりの舞台は僕の歌を知っている方、楽しみにしてくださる方が圧倒的に多くてうれしい。舞台に出る前から歓声が聞こえますし、『一緒に歌って』といわなくても、シングアウトが自然に起こります。みなさん、テンションが高い。何回でても新鮮だし、ふるさとに帰ってきたような安心感がありますね」

 三十年前は、お客さんとして赤旗まつりに参加していました。

 「そのうちに子どもや青年の広場に出演するようになって。気がつくと中央舞台に立っていた…、そんな感じかな」

 創作のエネルギーは、「怒り」です。憲法改悪、イラクの人質事件へのバッシング、教師の組合活動への攻撃など、「ここから先は、どうしても譲れない」という思いを歌に託します。

 「歌そのものが一人歩きをして、後で創作の意味が伝わったときに歌の深さが広がっていく。そういうのがいい。楽しみながら全力で歌っていきますよ」

文 中村尚代

写真 林 行博


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