2006年10月4日(水)「しんぶん赤旗」
北朝鮮
核実験実施を表明
時期には触れず
北朝鮮外務省は三日、「核実験を行うことになる」との声明を発表しました。米国の「反共和国(北朝鮮)孤立・圧殺策動」を口実に、「自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置を取る」としています。北朝鮮が公式に核実験の実施に言及したのは初めて。実施の時期には触れていません。
声明は、北朝鮮による七月のミサイル発射を非難する国連安保理決議を、米国による「事実上の『宣戦布告』」だとし、「米国の反共和国孤立・圧殺策動が極限点を越えて、最悪の状況をもたらしている」と主張しています。
その上で、(1)北朝鮮科学研究部門では今後、安全性が徹底的に保証された核実験をすることになる(2)北朝鮮は絶対に核兵器を先に使わず、核兵器を通じた脅威と核の移転をあくまでも許可しない(3)北朝鮮は朝鮮半島の非核化を実現し、世界的な核軍縮と核兵器の撤廃を推進するためにあらゆる方面で努力する―としています。
北朝鮮の核開発をめぐっては、二〇〇三年六月に六カ国協議がスタートしました。北朝鮮は〇五年二月に核兵器の保有を宣言しますが、同年九月に協議は再開。同月十九日に北朝鮮の核開発放棄と米朝、日朝関係改善などを盛り込んだ共同声明に合意しました。
その後、マカオの銀行を舞台にした北朝鮮によるマネーロンダリング(資金洗浄)を理由に米国が金融制裁を発動。これに反発した北朝鮮は六カ国協議への出席を拒否しています。
いかなる理由でも正当化できない
市田書記局長
日本共産党の市田忠義書記局長は三日、メディアの求めに応じ、北朝鮮外務省が核実験を実施すると声明したことについて、次のように述べました。
北朝鮮外務省は三日、核実験を実施すると声明した。北朝鮮が核実験を実施すれば、それは一九九二年の南北による朝鮮半島非核化共同宣言、二〇〇二年の日朝平壌宣言、二〇〇五年の第四回六カ国協議共同声明のいずれにも反し、北東アジアに新たな敵対と緊張を生み出すものとなり、いかなる理由によっても正当化することはできない。
わが党は北朝鮮が国際的な合意を守り、核実験を実施せず、六カ国協議の場に早期に立ち戻るよう、強く求める。