2006年10月3日(火)「しんぶん赤旗」
年収300万円以下 5年間で185万人増
安倍首相 格差拡大を当然視
小泉内閣が進めてきた「構造改革」のもと、年収三百万円を超える給与所得者が減り、年収三百万円以下の給与所得者が急増していることが、分かりました。
国税庁がまとめた民間給与実態統計調査の結果(二十八日公表)をもとに、小泉内閣が発足(二〇〇一年四月)する前の二〇〇〇年と〇五年を比較しました。
それによると、一年間を通じて勤務した給与所得者は、全体で約四千人減少し、四千四百九十三万六千人となりました。このうち、一年間に得た平均給与が三百万円超二千万円以下の給与所得者は、百八十八万四千人減少し、三百万円以下の給与所得者が、百八十四万八千人増加しました。一方、二千万円以上の給与所得者は三万二千人増加しています。
低所得層が増加し格差が拡大した背景として、パートなどの非正規社員が増加したことや、企業のリストラ・「合理化」によって低所得化が進んだことが考えられます。
安倍晋三首相は「競争がおこなわれれば、勝つ人と負ける人が出る。構造改革が進んだ結果、格差があらわれてきたのは、ある意味で自然なこと」(自著『美しい国へ』)と格差の拡大を当然視しています。安倍政権が示す「再チャレンジ」政策にも、格差と貧困の広がりをつくりだしてきた働くルールの破壊への反省や転換策はありません。
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