2006年10月2日(月)「しんぶん赤旗」
改悪反対の行動強調
教育法学会が基本法でシンポ
日本教育法学会は一日、東京で教育基本法緊急シンポジウムを開き、臨時国会で何が明らかにされる必要があるかについて議論を交わしました。
伊藤進会長(駿河台法科大学院教授)は「問題点を把握するだけでなく対応する行動をとらなければならない」と、改悪反対の行動を強調しました。
世取山洋介新潟大助教授は「前国会の審議は立法の目的がどこにあり、この法がどう役に立つのかという立法事実の論証を放棄した。まったく審議されていない条項も多い。基本法審議としては不適切」と述べました。
市川須美子独協大教授は最高裁学力テスト判決の趣旨を逆転させた政府の「誤った法律万能主義」を批判。丹羽徹大阪経済法科大教授は「現行法は憲法二六条の教育を受ける権利を具体化するための条件整備を国に義務づけた。改正案は教育内容も制度も事実上政府に『白紙委任』するものであり、違憲のそしりは免れない」と述べました。
政府案の条項ごとの議論では「教育振興基本計画は国の教育内容介入の駆動装置になる」、「(愛国心など)新しい事項が憲法のどことつながっているのか不明」、「男女共学条項が削除されたのは、女性差別撤廃条約に違反する」など、具体的な批判が相次ぎました。