2006年10月1日(日)「しんぶん赤旗」
自立支援法の応益負担
子の発達保障と矛盾
障害乳幼児療育の全国集会
障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会は三十日、「守ろう!健やかな発達とたしかな療育9・30全国集会」を大阪市で開きました。十月一日から障害乳幼児の通園施設や児童デイサービスの利用に応益負担が導入されるのを受けて、国や自治体に利用者の声を届けようと、十七都道府県から百七十人が集まりました。
同会の中村尚子副代表が「おとなの障害者なら補装具を一、二年待てても、障害のある子どもの補装具は一年に二回交換しても足りない。総合的な療育の保障と障害者自立支援法は矛盾します」と訴えました。
第二部では京都市・洛西愛育園、大阪府吹田市立わかたけ園、広島県福山市・「ゼノ」こばと園の運営者をパネリストに、シンポジウム「障害者自立支援法で乳幼児の療育はどうなるのか」を開催。難聴児通園施設「ゼノ」こばと園の塩出順子園長は「高度難聴児に効果のある人工内耳は、手術だけで三百万円以上かかります。いままでほとんど無料だったのが、一割負担、収入のある人は三割負担になった。これからはお金のある人しか選べなくなってしまう」と指摘。
全国各地から参加した保護者や施設職員らが、活動を報告。「人口十三万人の市で減免を求める署名を、一カ月間で三万人以上集めた」(大阪府大東市)など、利用負担軽減策を自治体に求める取り組みや、減免制度の実現を紹介しました。
神戸市から来た女性(24)は「お母さんや職員さんたちのパワーで元気になりました」と話していました。