2006年9月30日(土)「しんぶん赤旗」

NTTの配転 違法

原告団 「11万人リストラ断罪」

札幌地裁判決


 NTTが二〇〇二年におこなった十一万人リストラにともなう広域・不当配転は無効だと訴えていた「NTTリストラ北海道訴訟」で札幌地方裁判所(笠井勝彦裁判長)は二十九日、「配転はいずれも権利(人事権)の乱用であり違法」として、原告五人に全面勝訴の判決を言い渡しました。

 NTTの十一万人リストラの違法性を問う裁判は現在、札幌、東京、静岡、大阪、松山の五地裁であらそわれています。名古屋では昨年、原告の勝利和解が確定しており、初の司法判断として注目されていました。

 笠井裁判長は、NTTのおこなった原告への配転について「いずれも業務上の必要性がなく、または、配転障害事由(親の介護の必要性など)があるのに行われたもので、違法」だと断定し、原告全員に慰謝料を認め、計三百万円の支払いを命じました。

 NTTは、「グループ三カ年経営計画」にもとづいて五十一歳になった労働者すべてにたいし退職を迫り、賃金を15%から30%ダウンさせ子会社に再雇用するというリストラをすすめました。

 これに応じない労働者にたいし、一方的に遠距離・配転をおこない、見せしめとしました。

 北海道訴訟原告団、弁護団、通信労組は連名で、「今回の判決は、NTTの十一万人リストラそのものを断罪するもので画期的」との声明をだしました。

 北海道訴訟原告団の阿部昭彦団長は、報告集会で「私たちと支援してくれた人たちの勝利です。五十歳定年はいまも続いています。NTTは判決をしっかり受け止めリストラをやめてほしい」とのべました。

 全国原告団の鎌倉清美団長(通信労組中央副委員長)は「札幌での全面勝訴判決は、全国で争っている各裁判に大きな影響を与えます。ひきつづき先頭にたってがんばりたい」と話しました。


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