2006年9月28日(木)「しんぶん赤旗」
生活保護
辞退強要は違法
広島高裁 受給権を侵害、逆転勝訴
東広島市生活と健康を守る会の石崎友子さん(41)が生活保護の辞退届の提出を強要されたとして、東広島市と同福祉事務所長に二〇〇一年一月分の保護廃止決定処分の取り消しと損害賠償を請求した訴訟の控訴審の判決が二十七日、広島高裁でありました。廣田聡裁判長は、請求を棄却した一審判決を取り消し、請求をほぼ認める逆転判決を出しました。
廣田裁判長は、(1)石崎さんの自立のめどが立ったといえないにもかかわらず辞退届を書かせた担当者の不適切な対応は生活保護法の基本にかかわる錯誤で違法なため廃止処分を取り消す(2)保護受給権が違法に侵害された精神的損害賠償として三十万円を支払う―ことを命じました。
判決後の報告集会で支援者ら約五十人から大きな拍手が送られ、代理人の竹下義樹弁護士が「行政が生活保護を抑制する方法として第一段階の窓口で申請を追い帰すことと、第二段階の辞退届を提出させることがある。判決は、第二段階を突破する画期的な判決だ」と報告。石崎さんは「やっとこれで人として生きてよいと認められた思いです」と感謝を述べました。
東広島市は「主張が認められず残念で、今後の対応は判決内容を見て検討する」としています。